どうも、だとばぐです。
スポルティバよりついに「ソリューション コンプ」が発売されました。
名作であるソリューションのコンペティションモデルということで気になっているクライマーも多くいるのではないかと思う。
この記事では「ソリューション コンプ」について思いの丈をぶちまけていきたい。
主な変更点
- ヒールカップ
- 広めのトーラバー
ヒールカップについて
ヒールカップがソリューション独特の卵の黄身のようなデザインから、クライミングシューズに良くある形状に変わっている。
従来のヒールカップの形状を好んでいたクライマーにとって今回の変更は賛否が分かれそう。
細身で剛性感のあるヒールなのでインドアだけでなく外岩の細かいエッジにもしっかりとかかりそう
トーラバーについて
ソリューションリブートと比べると「ソリューション コンプ」ではトゥ全体を覆うようにラバーが貼られている。
従来のモデルよりもトーラバーの範囲が広いから、どんな角度からでもしっかりとトーフックできるね
ソリューションコンプの印象について
このクライミングシューズについて言いたいことはいくつかあるが、まとめると以下の4点である。
- デザインが微妙すぎる
- とりあえず新製品として出しました感
- ヒールカップの改悪
- 中途半端なコンセプト
微妙すぎるデザインについて
一言で言うならソリューション ドン・キホーテモデル
北関東のヤンキーが好きそうなデザイン。
クライミングジムというよりもドン・キホーテとかの方が似合いそうなルックス。
あとなんとなく漂うヴェルファイア感。
襟足の長いジュニアクライマーに履いてもらいたい。
当時としては先進的なデザインと尖った性能を兼ね備えたソリューションファーストモデル、スリングショットがマーブル模様にマイナーチェンジしたセカンドモデルを経て、2018年に発売されたリブートモデルでクライミングシューズとしての一つの完成形に達したと言っても過言ではない。
「昔は良かった」なんていうとすぐ老害認定される昨今だけど、ソリューションに関しては完全に前の方が良かったと思っている。
一転してこの度の「ソリューション コンプ」マジでどうした。
本当にお前はソリューションなのか?面影どこいった。
久しぶりに会った甥っ子が完全に声変わりしてた時と全く同じ感情を懐かざるを得ない。甥っ子いないけど。
もうそのデザインからは何の真新しさも挑戦も感じられない。
というかソリューションの最大の特徴であるヒールカップの形状を変えてしまっている時点で、こいつはもうソリューションとは呼べない。
飽きられないようにとりあえず新製品として出しました感
最近のスポルティバから感じる、とりあえず新製品出しました感。
資本主義の嫌なとこ出ちゃってるよね。
スポルティバのミウラーなんて発売から20年以上の年月が経っているけどデザイン変わってないんだから。
リブートモデルではカラーリングが微妙に変わったけども、あくまでマイナーチェンジでしかないし本質的なものは同じ。
それだけミウラーの完成度が高いということなんだけど、メーカーとしては毎年のように新作を発表し続けなければならないのだろう。
イボルブも毎年のように新製品を出しているが、ダニエルウッズやポールロビンソン、小山田大などの有名プロクライマーからの意見を反映させた渾身の一足を作り上げている。
最近に関して言えば、デザインはイボルブの圧勝。
2020年に発売を予定しているファントムとか最高。
ソリューションコンプがヴェルファイアならファントムはもうブガッティ・ヴェイロン。
それくらい違う。
クライミングシューズはほぼ完成されている
クライミングシューズの性能としての完成度はすでに限界値に達しているだろう。
リリースされるシューズを見てみても性能面での改良の余地はかなり少ない。
あとはデザインをこねくり回して新しさを演出するしかない。
「ノーエッジシューズ」の出現は成功例の一つだが、これが空回りすると「Cobra 4:99」が生まれたりする。
正直言って「ソリューション コンプ」も同じようになりそうな気しかしない。
なぜヒールの形状を変えた
ヒールカップは変えちゃダメでしょ
ソリューションのアイデンティティを全否定してる。
特徴的なヒールカップがミウラーに近い形状になっちゃった。
ソリューションの爪先とミウラーに近いヒールカップなのでなんとなくもうスペック的には最強シューズっぽくも思えるが、そうもならないのがクライミングシューズの難しさである。
ミウラーのヒールフックを最強たらしめているのはヒールカップの形状や剛性感もあるが、やはり靴全体のバランスが大きいだろう。
ソリューションの強力な爪先とミウラーのようなヒールカップを組み合わせることで最強のシューズを生み出そうとしている。
完全なるカツカレー理論。パワープレーも甚だしい。
中途半端なコンセプト
スクワマじゃダメなの?
「ソリューション コンプ」と言うネーミングからもわかるように、このシューズは最近のクライミングコンペによく見られる課題に対応できるようデザインされている。
従来のソリューションは、シューズ自体の剛性感からハリボテに対するスメアリングを苦手としていた。
「ソリューション コンプ」ではその問題点を解決している。
でもそうなるとじゃあスクワマで良くね?となってしまう。
いよいよ「ソリューション コンプ」の使いどころがわからない。
とにかく中途半端という印象が拭えない。
最後に
完全にスポルティバに身内を蹴り殺された人間の目線で記事を書いてしまったが、どうかこれもソリューションに対する愛情の裏返しとして受け止めてもらいたい。
ただこれだけは言っておきたい。
ソリューション ドンキモデルとか散々言ってるけど性能に関しては文句の付け所はない。
コンペモデルという触れ込みだが、インドア・外岩問わずオールラウンドに活躍すること間違い無いだろう。
ソリューションのヒールだけがなんか苦手というクライマーにとっては、もしかしたら最高の一足になるかもしれない。