クライミングジムで行われる小中規模のコンペティションを通称「草コンペ」と呼びます。
基本的には3カテゴリーに分かれており、上から「オープン」「ミドル」「ファン(もしくはビギナー)」と名付けられるのが一般的。
各カテゴリーには大まかに参加者の目安となるグレードが表記されており、多くが「オープンカテゴリー」は1級以上。「ミドル」は4級から2級程度。「ファン」はそれ以下と分けられている。
クライミングジムで他の人とセッションをよくする人には実感できると思いますが、自分より2グレード以上離れている人と一緒にセッションするのは正直辛いものがあるので、上記のカテゴリー分けの目安となるグレードはベストとは言えないまでも、一応妥当かと思えます。
目安のグレードはオンサイトグレード?レッドポイント?
上記の目安となるグレードが、フラッシュできるグレードなのか、何トライもすればレッドポイントできるグレードなのか、3トライ以内でレッドポイントできるグレードなのか、など詳細については明記されていません。
例えばミドルクラスに、基本的に2級なら1撃できるが最高グレードが初段のクライマーが参考グレードをフラッシュできるグレードだと解釈し参戦した場合、なんとか4級を登ることができるクライマーと同じクラスで競う可能性もあるでしょう。この場合、おそらく4級クライマーはほとんどの課題を登ることができない結果に終わり非常に残念な気持ちになると思います。また前者の2級を1撃できるクライマーが優勝なんてすれば、グレード詐欺などと外野から何かを言われる可能性もあります。
運営するジムも4級クライマーに合わせて課題を作れば上位が団子になってしまうので、必然的に辛めの設定にせざるを得ないでしょう。
何ですかこの誰も得をしないシステム。
ジム側が一言明記してくれるだけでいい
クラス分けの際に、極端な不公平さを生み出さないよう運営サイドが参考グレードを「コンスタントに登れるグレード」や「3トライ程度で登れるグレード」などと明記してくれるだけで、参加者は無駄に悩む必要がなくなると思います。あくまでコンペのシステム自体は変更しない場合ですが。この明記を避けている時点で運営側の怠慢でしょう。
草コンペはイベント的な側面のあるお祭り的なものなので、それほど本気になっている人は多くないのかもしれないが、せっかくだからもっとみんなが楽しめるような工夫をするべきである。
ましてや一言付け加えるだけで無用なトラブルがある程度避けられるのなら、それをしないことは怠慢だと言わざるを得ない。