一流のアスリートほど道具を大切にするらしい。
クライマーにとっての道具とはなんだろうと考えたとき、クライミングシューズやチョークなどを思い浮かべる。
指皮も道具と言っても差し支えないかもしれない。いかにホールドを保持するかにおいて指皮の重要性は無視することができないからである。
指皮ケアに対する高い意識を持ったクライマーは多くいるが、爪のケアまで意識的に考え取り組んでいるクライマーはそれほど多くないように感じる。
今回はさらに一歩進んだ爪のケアの重要性について考えていきたい。
始めるなら早いに越したことはないのである。
ハンドクリームだけじゃ不十分
ボルダリング後にハンドクリームで保湿することが指皮のケアにとって必要不可欠だということを理解しているクライマーは多い。
もちろんハンドクリームによって保湿されているのは指の皮だけではなく、爪も保湿されている。
爪も皮膚と同じように、チョークによって水分が奪われ乾燥すれば脆く割れやすいものになってしまう。
それを避けるためにハンドクリームを使用することは一つの手段として有効ではあるが、爪の補強的なケアを考えた場合にハンドクリームでは物足りない。
保湿は補修的ケア
傷ついたものを出来るだけ早く修復するためにハンドクリームなどで保湿を行う。
ただネイルのケアとは、いかに傷つけないか、という視点に立っている。
スポーツにおいてこの視点は非常に大切だと思う。
ケガをした時にどう治療していくか、も大切とは言えるが、どうすればケガのしにくい体を作っていけるか、の方がはるかに大切。
加齢により自然治癒力も少しずつ衰えてくる。
ケガによる離脱が上達速度を遅らせる一番の敵なのである。
クライマーの爪は脆い
ジムでのハードなトレーニングをした後の爪を見てみると、細かく傷がついていることに気がつく。また極小ホールドに対して爪を立てるようにカチ持ちをしたような場合に爪が欠けてしまうこともある。
この隙間にチョークが入り込んでしまう。
クライミング後のチョークの汚れというものは、自分が思っているよりも非常に落ちにくい。
しっかりと洗えたつもりでもジェットタオルで吹き飛ばした後の手がビビるくらい白かったことは一度や二度ではない。
そのチョークの汚れが爪の隙間に残り続けることで、爪の水分は奪われ脆くなってしまう。
男性の中には、ネイルのケアをすることに対して抵抗を持つ人もいるだろう。
どうせすぐに頭も艶やかになるんだから、先に爪を艶やかにするくらい何の問題もない。
ジェンダーの壁も乗り越えてこそのクライマーだろう。
おすすめネイルケアグッズ
脆くなった爪の対処方法として、透明なジェルネイルの使用がとても有効である。
少し厚めに塗ることで、摩擦から爪をガードする役割と保湿をしてくれる。
ジェルネイルの種類によっては、爪への栄養成分を配合しているものもあるために、ただ使用しているだけで爪を頑丈にしてくれる。
無印のネイルトップコートは男性でも購入しやすく乾きやすさも悪くないため初めて試すという人にはいいかもしれないが、個人的にはネイルネイルのネイルサポートNをオススメしたい。
日常的にネイルネイルのネイルサポートNを愛用しているが、これを使い始めてから、花崗岩で思いっきりカチ持ちをしても爪が欠けてしまうようなことが大きく減った。それまではカチホールドを爪にを立てるように持つような場合に、くにゃっと変形してしまうほど薄く脆い爪をしていた。
物理的に爪を分厚くすることで、塗ったその日から指が強化されていることを実感できる。
速乾性能が非常に高く、爪を強く頑丈にする栄養成分が含まれているためコスパに非常に優れている。
重ね塗りをすることで、クライミング後も爪が傷つくのをガードしてくれる。
外岩シーズンに向けて
クライミングにおいて爪の重要性を最も実感するのが、外岩で花崗岩のような結晶と呼ばれる粒だったホールドに対してカチ持ちをした時ではないだろうか。
必然的に爪を立てるようにしなければ、ホールドを効かせることができない。
そんな時に爪の強さが保持力に大きく影響してくる。
まとめ
インドアのトレーニングや岩場シーズンに向けての爪の補強のため、ハンドクリームによる保湿ケアに加えてぜひネイルケアに挑戦してもらいたい。