どうも、手汗に愛されし者です。
どれくらい手汗に愛されているかというと、自分がスローパー核心の課題で落ちるのはもちろん、次の人も落ちます。
ごくまれのその次の人も落ちます。
もはやちょっとした営業妨害。
ハズキルーペの渡辺謙ばりに「手汗がひどくてスローパーが持てなぁい!」と毎回ガチギレしています。
もちろん俺の汁手の上に座らせることで「きゃっ!」という菊川怜も再現できます。
自分のためだけでなくクライミング業界全体のために手汗をなんとかしなくては。
手汗をなんとかするためにクライミングを始めて以来さまざまな方法を試してきました。
ここでクライマーにおける手汗についての一つの結論に達したため、今回は苦悩や苦難の日々とともに共有していきたいと思います。
(オススメ度を5段階で評価しています)
手汗クライマーの苦悩
マジでコンディション最高な日が年間に1週間くらいしかありません。
シーズン中の豊田で気温も低く渇いた風が吹いていたある日、自分の体調もすごく良かったのかホールドがめちゃくちゃ持てて初段をフラッシュしました。
「おいお前ら!いつもこんなにホールド持ててんのかよ!」という思いを抱きながら、「ナイス〜」と言ってくれている友人を思わず岩の上からキッと睨みつけてしまいました。
あの時は手が完全にゾーンに入っていました。
あの時の持ち感の良さを山崎まさよしばりにいつも探しています。
ワンモアタイム。ワンモアチャンス。
これまでの手汗対策
ミョウバン水を塗る
マジで効かねぇ〜〜〜〜。
ガキの遊びじゃねぇんだぞ。
塗ってる最中からすでに手汗がとめどなく溢れていた。
念のためにミョウバン水の作り方を説明します。
ミョウバンを水に入れてしばらく放置します。
ミョウバンが水に完全に溶け切ったらゴミ箱に捨てます。
終わりです。マジで使い物にならないので。
オススメ度 くそ
無水エタノールを塗る
無水エタノールを手のひらにつけて塗り込む方法です。
こうすることでエタノールにより手についた湿気を飛ばし、さらに気化冷却により手のひらの温度も下がります。
またエタノールの収斂作用により手に平の皮膚がキュッと締まるため汗が出にくくなります。
無水エタノールのいいところは、その使い勝手の良さ。
手のひらを洗って汚れを取ってからエタノールを塗ったほうがいいのですが、チョークが手に残っているような状況で使っても十分効果が得られます。
コンペに並んでいる最中のような状況でもサッと数滴塗り込むことで手のひらのコンディションを向上させることができるため、使用場面が一番多いのが無水エタノールです。
このようなプラスチックボトルに入れておくと使いやすいです。
オススメ度
塩化アルミニウム水溶液を塗って寝るをバカみたいに繰り返す
アルツハイマー患者の脳にアルミニウムが溜まっていたことから、アルミニウムを摂取するとアルツハイマーになるという噂があるが、手に塗ったアルミニウムがどうしたら脳にたまんだよ。ふざけんなよ。
アルツハイマーになりたくなかったらとにかく水を毎日しっかり飲むこと。
塩化アルミニウム水溶液について。
こちらは先ほどのクソ・オブ・クソことミョウバン水よりも効果的でした。
製造方法と使用方法
塩化アルミニウム(Ⅲ)六水和物を精製水とエタノールに混ぜて水溶液を作ります。
塩化アルミニウムはエタノールには溶けないので、まず精製水に溶かしてからエタノールと混ぜましょう。
オドレミンという市販の塩化アルミニウム水溶液もあるのですが、こちらは濃度が13%程度。
1080円という手頃な値段のため、まずはこれで自分の手に合うかどうかを試してみるのも一つの手。
ちなみに自分で塩化アルミニウム水溶液を作れば、濃度50%という究極完全体・塩化アルミニウム水溶液を生み出すこともできます。
濃度は最大でも50%くらいにしておいたほうがいいと思います。それを超えたらこちら側に戻ってこれなくなります。
塗ってみるとエタノールの収斂作用と塩化アルミニウムの作用により肌がキュッとします。
寝る前に塗ってビニールの手袋を装着して就寝します。朝になったら水洗い。これを1週間ほど繰り返します。
塩化アルミニウムにより手が荒れてしまうこともあるので、いきなり高濃度は試さずに少しずつ濃度を上げていくことをお勧めします。
1週間が過ぎた頃には手汗より解き放たれし民の一員になれます。
オススメ度
チョークでなんとかしようとする
クライマーが手汗対策と聞いて真っ先に思い浮かべるのがチョークのことだろう。
手汗対策=チョークといっても過言ではないからである。
粉チョーク
手汗対策に有効なチョークといえば「東京粉末PUREBLACK」「FrictionLabs Gorilla Grip」「GRASP Wet condition」がよく上げられるが個人的には「パンダチョーク」が性能面でも価格面でも一番良かった。
とてもキメが細かく手にしっかりと馴染む。
質感的にはGRASPのウェットコンディションにも似ているが、コスパは断然パンダチョークの方が良い。
「パンダチョークを少量を手に取りその上から無水エタノールを数的垂らして手に塗り込む」という手のひらで液体チョークを作り出すかのごとき使い方が最強。
オススメ度
液体チョーク
液体チョークは「FrictionLabs Secret Stuff」一択。
ちなみに手汗界隈では「PD9は使い物にならない」が常識になっている。
オススメ度
汗を止めるツボを無心で押す
手の甲側の人差し指と親指の付け根にある「合谷(ごうこく)」というツボが手汗にも良いと聞いたので無心で押しましたが、もうツボでどうこうできる手汗のレベルはとうに超えていたので全く効果を実感することができませんでした。ぎゅっと押すとじゅわって汗が出てくる気すらする。
単純に押すと気持ちいいので、これからも押すことには押したいと思います。
オススメ度
漢方をバカみたいに飲む
漢方に手を出しました。
買ってみたのはこちら。
手汗の原因の一つに自律神経の不調というものがあります。
漢方により、自律神経を整えることで手汗を抑え込もうとしました。
手汗は心なしか出にくくなったかも?程度なのですが、とにかくよく眠れるようになり睡眠の質が向上したので飲み始めて良かったです。
オススメ度
食事療法など生活習慣の改善
ニンニクなどの刺激の強いものを避け、身体にいいオーガニックな食材を積極的に取ります。
バナナに多く含まれるカリウムが身体の水分を調整してくれるので、毎朝バナナを食べるようにしました。
手汗に効果があったかはよくわかりませんが、生活習慣を改善して食事にも気をつけるようになると肌も綺麗になり、そのおかげで彼女ができました、
彼女ができたので手汗とかどうでもよくなります。
オススメ度
試してないけど有効性のある方法
クロルヒドロキシAl水溶液
塩化アルミニウムを電解して得られるアルミニウム錯化合物の水溶液です。
塩化アルミニウム水溶液は、手汗と反応して塩酸が発生するために手が荒れてしまうのですが、この水溶液にはそれがありません。
手汗を止めるメカニズム自体は塩化アルミニウム水溶液と同じです。
手荒れという塩化アルミニウム水溶液の欠点を解消しているため、今後試すならクロルヒドロキシAl水溶液の方がいいと思います。
より効果的な使い方は塩化アルミニウム水溶液と同じ。
寝る前にテサランを塗って手袋をつけてから就寝します。
手術
最後の手段ね。汗腺を焼きます。
いや、そりゃ焼くんだから手汗は出なくなるでしょうよ!という感想しかない。
手汗対策関連のホームページを見ていると平気で「これらの方法でもダメなら汗腺を焼く手術を」みたいなことをさらっと言ってくるから怖い。
ここは汗腺を焼くハードルが異常に低すぎる世界か何かか?
怖いから焼きません。
結論
いろいろ試してみて、手汗を気にせず食生活や生活習慣を改善する方法が最もリターンが大きいことがわかりました。
これまでの方法による効果については個人差があるので、オススメするものからいくつか試して自分に合ったものを見つけてもらいたい。
一緒に手汗より解き放たれし民になりましょう。