ぬまがさワタリさんの「なんかへんな生きもの」を読みました。
変わった生態を持った生きものたちをかわいいイラストとユーモアたっぷりの文体で説明していて、イラストがメインのためサラッと読めてしまうのですが何度でも読みたくなってしまう中毒性があります。
冒頭のイラストからもわかるように、何となく「自由研究」的なゆるい雰囲気を感じさせるイラストがすごくいい。
いい意味で図鑑のような学術的な重厚さはなく、生きものに対する興味をシンプルにくすぐってくれる。
少しだけ「なんかへんな生きもの」に収録されている生きものたちを紹介。
すごいねアカマンボウ
でっけぇ〜〜〜〜〜〜〜笑
俺が大学進学で上京して最初にニトリで買ったローテーブルくらいでかい。
別名マンダイ。
アカマンボウに対しては「回転寿司のマグロは実はアカマンボウ」という噂を聞いたことがある程度のふんわりしたもので、その生態については本著を読むまで全く知りませんでした。
アカマンボウのすごいところは何と言っても科学史上初めて発見された「恒温魚」ということ。
魚というのは変温動物であると考えられてきたため、アカマンボウの発見はこれまでの魚に対する常識を一気に覆しました。
現在では、学術的な曖昧さを回避するために”体温が主に代謝熱で維持されている”という意味で、「内温性」という言葉が用いられています。
具体的には、ホオジロザメは体温が26℃と比較的低いが内温性があるために変温動物ではなく冷血の恒温動物ということになる。
深海に生息するアカマンボウは、特殊な血管構造により自分自身を温めることができるそうです。
アカマンボウの体温は他の深海に生息する生物よりも平均して約5度ほど高く、これは捕食をする上での大きなアドバンテージとなる。
高卒ばかりの会社で一人だけ大卒みたいなアドバンテージをアカマンボウはきっと深海で感じているかもしれない。
「レジュメ…あ、プリントって言わなきゃわかんないか(笑)」みたいな。めちゃくちゃうざいし絶対仕事できないタイプだ。
食材としてはネギトロの増量のためにアカマンボウが使われていることもあり、すでに食べたことがある方もいるかもしれません。
最近ではむしろアカマンボウのネームバリューが高まりつつあり、そのまま鮮魚売り場に並ぶことも。
見かけたらぜひ食べてみたい。
かわいいぞカカポ
守りたい、この笑顔。
別名フクロウオウム。
なんですか、この可愛さは。猫超えたな。
残念ながらカカポは絶滅の危機に瀕しており、現在の生息数はたったの142羽(2019年5月現在)。
人間の「なんとしてでもカカポ絶滅させてなるものか」という執念の賜物か、繁殖適齢に達したカカポは「カカポリスト」に名前と年齢と両親の名前が登録される。
全ての成人男女がマッチングアプリに登録しているような状態。
ちなみに現在はメス69羽、オス73羽となっており、若干ですが男性が余っています。人間と一緒。
一番おすすめのカカポの女の子は、31番のLISAちゃん。
すでに9羽の赤ちゃんを生んでいてめちゃくちゃモテている。
男性一番人気はBladesさん。20羽のカカポのお父さんだ。Bladesさん、いや、Blades先輩。すごすぎる繁殖能力だ。
こちらからカカポリストを確認できます。
もしこの記事を読んでる男性のカカポがいたら、ぜひチェックしてもらいたい。
ちなみに寿命が90年を超えるカカポもいるそうだ。笑えるくらい長生き。
他にも
そらの生きもの、みずの生きもの、身近な生きもの、こわい(?)生きもの、へんなむし、と第5章にわたってへんなメンバーを紹介しまくっています。
特にみずの生きものは熱いですね。水の中にはやばい奴らしかいない。
最後に
上記で紹介した生きもの以外にもまだまだたくさんの「なんかへんな生きもの」が紹介されています。
個人的には「コウテイペンギン」の力強さと愛情深さに感動してしまいました。
手元にずっと置いておきたくなる一冊です。
もし無料で「なんかへんな生きもの」を読んでみたい場合はKindle Unlimitedがおすすめ。
今なら30日間の初回無料体験があるので「なんかへんな生きもの」の他にも色々な書籍を読み放題で楽しむことができます。
また同作者の「ゆかいな生きもの㊙︎図鑑」もKindle Unlimitedで配信されているので「なんかへんな生きもの」と合わせて読んでみてください。
どちらも面白くておすすめ。